地熱発電
地熱発電の仕組み
地熱発電とは、地中深くから得られた蒸気で直接タービンを回し発電するもののことを言います。
地球は、地中深くなるにつれて温度が上がり、一般に深さ30~50kmで1千度程度と考えられていて、いわばひとつの大きな熱の貯蔵庫のようなものです。
しかし、この熱源はあまりにも深部に存在するので、現在の技術でこれをエネルギー資源として利用することはまず不可能だと思います。
ただ、火山や天然の噴気孔、温泉、変質岩などがあり、いわゆる地熱地帯と呼ばれる地域では、深さ数kmの比較的浅いところに1千度前後のマグマ溜りがあり、そして、地中に浸透した雨水などがマグマ溜りによって加熱され、地熱貯留層を形成することがあります。このような地点に貯えられた熱を直接、エネルギー源として利用するのが地熱発電です。
地熱発電の特徴
純国産エネルギーの有効利用
火力発電(石油・石炭・LNG)が海外からの輸入なしには成り立たない発電方式なのに対して、地熱発電は国内の地熱資源を用いるという点で、純国産エネルギーだといえます。
海外の輸出国や市場の影響を受けにくいというのは、つねに安定した供給が求められる電力需要にとって大きなメリットになります。
燃料が不要
蒸気の力でタービンを回して発電するという仕組みについては、火力発電や原子力発電などでも同じです。この蒸気を作る際に、火力発電では石油・石炭や天然ガス等の燃料を使用し、原子力発電ではウランなどの燃料を使用しています。
でも、地熱発電では、地球深部の熱によって作られた蒸気を使うため、燃料はいらないのです。燃料を燃やすのではなく、地球そのものを熱源としていることが地熱発電の大きな特徴の1つです。
クリーンエネルギー
大気中のCO2(二酸化炭素)の増加というのは、主に石油や石炭といった化石燃料を燃焼させることにより、発生したCO2が大気の組成を変化させ、さまざまな環境への影響を及ぼしているということになります。
近年になってこの問題は世界各国で対策が話し合われていて、全地球規模の課題であるということが認識されつつあると思います。
地熱発電は、化石燃料によらない自然エネルギーを用いる発電方式のひとつとして大きな優位性をもっているといえます。
日本にある地熱発電所
- 森発電所(北海道)
- 大沼地熱発電所(秋田県)
- 松川地熱発電所(岩手県)
- 鬼首地熱発電所(宮城県)
- 柳津西山地熱発電所(福島県)
- 八丈島地熱発電所(東京都)
- 岳の湯発電所(熊本県)
- 大岳発電所(大分県)
- 滝上発電所(大分県)
- 霧島国際ホテル地熱発電所(鹿児島県)
・・・などの地熱発電所があります。
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